【第5回】小池百合子の演説術

2017/04/29たかまつななの気になる数字ですの♪

政治を愛するお嬢様芸人のたかまつななさんに毎月気になるニュースを紹介してもらう「たかまつななの気になる数字ですの♪」。今回はビジネスマン必見! “伝える”ことについて。普段から、TV出演に講演会、お笑いライブなど人前で話す機会が多いたかまつさんがオススメの簡単に始められる、伝える”テクニックを教えていただきました。もちろん数字も絡んでますよ♪

同じ言葉を繰り返すだけで、圧倒的に伝わる

自分の話しがいまいち伝わらない。そんなことで悩んでいませんか?

ご安心下さい。簡単に、分かりやすく話すことができます。それは、政治家がよく使っている反復法です。

反復法とは、同じ表現を繰り返すことによって、意味の連続や強調を表わす方法です。小泉純一郎元首相がよく使っていました。「郵政民営化」「自民党をぶっ壊す」という言葉、よく耳にしましたよね。他にも、橋下徹が訴えた「大阪都構想」もその例です。政治学では、この反復法をワンフレーズ・ポリティクスと呼びます。演説などの政治活動を行う場合に、政治家がキャッチフレーズのような一言を多用し、有権者の支持を得ようとする政治手法です。

最近では、東京都知事選で、小池百合子さんが使っていました。小池百合子さんといえば、環境大臣を務めた際に、反復法をよく使われていました。「クールビズ」ってブームになりましたよね。クールビズとは、冷房エネルギーを節約するため、ネクタイをせず半袖シャツを着るなど、涼しい姿で事務所で働くことです。

実は、このノーネクタイを実施したのは小池さんが最初ではないんです。いち早く神奈川県横浜市が実施していました。国が始める3年前に元横浜市長の中田宏さんが「夏は夏らしく・ノーネクタイ運動」を始めたそうです。当時、「軽装でけしからん!」という批判も浴びながら、徐々に首都圏に広がり、2005年小池さんが環境大臣の時にネーミングを大々的に募集して、「クールビズ」が始まったのです。

初めてやったのは中田さんと言われても、ノーネクタイ、つまりクールビズをやったのは、小池さんというイメージの方が正直強いですよね。これが、反復法の強みなんです。

小池百合子さんは、これを演説の中でも効果的に用いています

実際にどのように使っていたのか、東京都知事選を振り返りたいと思います。政見放送で、小池さんはこのように述べていました。

「3つの新しい東京を作ります。それはダイバー・シティ、セーフ・シティ、スマート・シティです。」

このように、シティという言葉を繰り返して強調しております。5分30秒の政権放送の中で、6回「シティ」という言葉を反復しております。

そして公約では、7つのゼロ(①満員電車ゼロ②残業ゼロ③介護離職ゼロ④待機児童ゼロ⑤ペット殺処分ゼロ⑥都道の電柱ゼロ⑦多摩格差ゼロ)を訴えておりました。小池さんは、反復法を使うことに留まらず、あえて英単語を使うことの有効さを知っています。耳慣れない言葉だからこそ、「え?それ何だろう?」と話しを聞こうという気になります。さらに印象に残りやすくなります。

実際に、「都民ファースト」「レガシー」という言葉は流行語大賞にノミネート30語に選ばれました。

政治だけではなく、ヒットの裏側にも

政治だけではなく、これはヒットの裏側にはよく隠されています。往年のヒット曲である吉幾三の「俺ら東京さ行くだ」の歌詞はこのように始まります。

テレビも無エ ラジオも無エ

自動車もそれほど走って無エ

ピアノも無エ バーも無エ

田舎に何もないことを、「無エ」という言葉でひたすら繰り返します。このことによりリズムを出し、何も無いという意味を強調しているのです。歌詞が耳に残りやすいこともヒットの要因ではないでしょうか。

この反復法は使うのは、そんなに難しくはないんです。同じ言葉を繰り返すだけです。みなさまも、ぜひ使ってみてください。お笑い芸人も今は真似されやすい芸人が売れると言われています。女子高生がネットで耳に残りやすいフレーズを真似してくれるからです。私も反復法をいかしたネタ作らないと……!!!

 

※次回は5月29日(月)更新予定です。お楽しみに!


たかまつなな

お笑いジャーナリスト・お嬢様芸人・株式会社 笑下村塾代表取締役

フェリス女学院出身のお嬢様芸人として、テレビ・舞台で活動する傍ら、 お笑いジャーナリストとして、お笑いを通して社会問題を発信している。18才選挙権を機に、若者と政治の距離を縮めるために、株式会社笑下村塾を設立。「笑える!使える!政治教育ショー」を開発し、全国に出張授業・講師養成を行う。

芸能活動をする一方、東京大学大学院情報学環教育部、慶應義塾大学大学院政策メディア研究科で学業に勤しみながら、講演会・シンポジウム・ワークショップ・イベント企画など手がける。

夢は、お笑い界の池上彰になることである。

株式会社 笑下村塾HP:http://www.takamatsunana.com/

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