川村先生&野﨑先生のロトナン確率講座

【第6回】ナンバーズ3当せん確率の計算

2017/08/07【連載終了】川村先生&野﨑先生のロトナン確率講座

第4回、第5回は「ビンゴ5」が新しく発売されたので、旬のうちに解説しました。少々複雑なので、本来であれば連載の最後に回すべき内容だったかもしれませんね。

今回(第6回)から第8回までは、ナンバーズの解説をしていきます。ナンバーズはいくつかの数字を選ぶだけの簡単な仕組みです。実は当せん確率の計算も最も簡単です。なので、前回のビンゴ5の解説が難しく感じた方も、肩の力を抜いて読んで下さい。

 

今回はナンバーズ3の当せん確率について解説します。次回(第7回)はナンバーズ4の解説です。そして、第8回はナンバーズ4のダブルとトリプルについてです。

ナンバーズ3と4はケタ数が違うだけで基本は同じです。

ナンバーズは平日毎日抽せんがありますし、確率を知って、みなさんの日々の予想に役立ててください。

ナンバーズ3の確率を求めよう

ナンバーズ3とは?

まずはナンバーズ3の説明を行います。

ナンバーズ3は3ケタの数字を当てる数字選択式宝くじです。申込カードに「自分の選んだ3ケタの数字」と「申込タイプ」をマークして購入します。申込タイプには、「ストレート」、「ボックス」、「セット」、「ミニ」の4種類があります。それぞれの申込タイプでの当せん条件は次の通りです。

 

【ストレート】 3ケタの数字と並びの順序が一致
【ボックス】  3ケタの数字が一致すれば並びの順序は関係なし
【セット】   ストレートとボックスに半分ずつ申し込むもの(ストレートの条件かボックスの条件を満たすと当せんになるが、当せん金額がストレート・ボックスよりも少ない)
【ミニ】    下2ケタの数字と並びの順序が一致

 

このコラムでは、1ケタ目に 7 を選び、2ケタ目に 5 を選び、3ケタ目に 3 を選んだ場合には、

(7)(5)(3)

と書くことにします。同様に、抽せん数字も1ケタ目に 7 が選ばれて、2ケタ目に 5 が選ばれて、3ケタ目に 3 が選ばれた場合には、

 (7)(5)(3)

と書きます。

 

それぞれの申込タイプの当せん確率と当せん金額(理論値)は下の表1、表2の通りになっています。ここで注意して欲しいことは、抽せん数字の3個の数字が全て異なる場合と、抽せん数字のうち2個が同じになる場合とでは当せん確率が変わることです。今回の目的は、この当せん確率をもとめることです。

 

表1 抽せん数字が(1)(2)(3)のとき(3個の数字がすべて異なる場合)の当せん確率と当せん金額

 

表2 抽せん数字が(1)(2)(2)のとき(2個の数字が同じ場合)の当せん確率と当せん金額

 

※ナンバーズ3の注意点※

3個とも同じ数字を選んだ場合(ゾロ目)、「ボックス」と「セット」を申し込むことはできません。なぜなら、ボックスの当せんパターンとストレートの当せんパターンが同じになってしまうからです。

抽せん数字が全て異なる場合の当せん確率

はじめに、抽せん数字が3個とも異なる場合(例えば、(1)(2)(3))の当せん確率を調べましょう。

全体の場合の数

まずは全体の場合の数を数えましょう。ナンバーズ3では、各ケタで1,2,3,4,5,6,7,8,9,0の10個の数字を選びます。したがって、各ケタの数字の選び方は10通りです。10通りのものを3ケタ分選ぶので、全体の場合の数は

10 × 10 × 10 = 1000 通り

になります。

ストレートで当たる確率

次にストレートを選んで当たる確率を求めましょう。抽せん番号が (5) (2) (3) の場合、ストレートで当たるためには、(5)(2)(3)を選んでいる必要があります。したがって、当せんするパターンは1通りです。他の抽せん番号の場合でも、当せんするパターンは1通りになります。このことから、ストレートで当たる確率は

(ストレートが当たる数字のパターン数)/ (全体の場合の数) = 1/1000

であることがわかります。

ボックスで当たる確率

ボックスが当たる場合も、同じようにどの数字を選んでいれば当せんするかをしらべて、そのパターン数を数えましょう。抽せん数字が(5) (2) (3) の場合、ボックスで当たるためには、

(5)(2)(3),  (5)(3)(2),  (2)(5)(3),  

(2)(3)(5),  (3)(5)(2),  (3)(2)(5)

のいずれかを選んでいる必要があります。したがって、当せんするパターン数は6通りです。他の当せん番号の場合でも、抽せんされた数字が全て異なる場合は6パターンになります。このことから、ボックスで当たる確率は

(ボックスが当たる数字のパターン数) /  (全体の場合の数)  = 6/1000

になります。

セットで当たる確率

セットで数字を選んだ場合は、ボックスで当たる3ケタの数字を選んでいれば必ず当せんします。ただし、選んだ3ケタの数字がストレートと同じ並びになっている場合はセットストレートに該当します。なので、ストレートと同じ数字の並びになっている場合(セットストレートの場合)と選んだ数字は当たっているが並びが同じにならない場合(セットボックスの場合)に分けて考えます。

抽せん数字が(5)(2)(3)の場合、ストレートと同じ条件で当せんする確率は、ストレートが当たる確率と等しいので

1/1000

です。抽せん数字が(5)(2)(3)の場合、選んだ数字は当たっているが並びが同じにならないような3ケタの数字は

(5)(2)(3),  (5)(3)(2),  (2)(5)(3),

(2)(3)(5),  (3)(5)(2),  (3)(2)(5)

になります。ここで、(5)(2)(3)が消されているのは、数字の並びも同じになっているからです。このことから、選んだ数字は当たっているが並びが同じにならない数を選ぶ確率は

5/1000

になります。

ミニで当たる確率

同じように、当せんする数字を列挙して数えましょう。抽せん数字が(5)(2)(3)の場合に、ミニで当たる下2ケタの数字は

■(2)(3), ■(2)(3), ■(2)(3),  

■(2)(3), ■(2)(3), ■(2)(3),  

■(2)(3), ■(2)(3), ■(2)(3), ■(2)(3)

の10種類です。実は、このように列挙しなくても、1ケタ目で10種類の数字のどれを選んでもよいことから、即座に当せんするパターン数が10通りであることがわかります。したがって、抽せん数字がどの数字であろうとも、当せんする3ケタの数字のパターン数は10通りです。このことから、ミニの当せん確率は

(ミニが当たる数字のパターン数) /  (全体の場合の数)  = 10/1000 = 1/100

になります。

抽せん数字の内2個が同じ数字の場合

ストレートとミニの場合は、先ほどの場合と全く同じようにすれば計算きるので、省略します。ここでは、ボックスとセットのみの計算をします。

ボックスで当たる確率

抽せん数字が(5)(2)(2)であったとしましょう。このときに、ボックスで当たる3ケタの数字は

(5)(2)(2),  (2)(5)(2),  (2)(2)(5)

の3種類です。抽せん数字が、2個のケタで同じ数字がある他の3ケタの数字であったとしても、やはり当せんするのは3種類の3ケタの数字です。したがって、ボックスの当せん確率は

3/1000

です。

セットで当たる確率

先ほどと同様に、ストレートと同じ数字の並びになっている場合(セットストレートの場合)と選んだ数字は当たっているが並びが同じにならない場合(セットボックスの場合)に分けて考えます。

 

ストレートと同じ数字の並びになっている場合は、先ほどの計算と全く同じで、当せん確率が

  1/1000

です。

抽せん数字が(5)(2)(2)の場合、選んだ数字は当たっているが並びが同じにならないような3ケタの数字は

(5)(2)(2),  (2)(5)(2),  (2)(2)(5)

になります。

ここで、(5)(2)(2)が消されているのは、数字の並びも同じになっているからです。このことから、選んだ数字は当たっているが並びが同じにならない数を選ぶ確率は

2/1000

です。

終わりに

今回はナンバーズ3の当せん確率を求めました。

次回のナンバーズ4は、ほとんど同じ計算をするだけで当せん確率を求めることができます。

 

今回は内容が短かったのでちょっと気になった話を。

最近はAI(人工知能)が色々なところで使われています。気になったことというのは「AIに宝くじの当せん数字を予想させたらどうなるか?」ということです。もしかしたら、人間の気付いていない数字の片寄りや抽せん機のクセなどがあって、上手く予想ができるかもしれません。もしかしたら、このサイトにも「AI予想」なんてコーナーができるかも!?

 

※次回は9月4日(月)更新予定です。

確認問題

ナンバーズ4で、抽せん数字が4つとも異なるとき(例えば、(9)(4)(6)(1)が抽せん番号)に、ストレート、ボックス、セット(ストレートとボックスを半分ずつ申込み)の当せん確率を求めてください。

 


野﨑 隆之(のざき たかゆき)

2012年 東京工業大学 大学院理工学研究科博士課程修了。
現在、山口大学 大学院創成科学研究科 講師。
研究内容はデジタル情報を誤りなく伝送・保存する基礎技術である「誤り訂正符号」と、その理論である「符号理論」。
大学では「情報理論」や「情報ネットワーク」などの情報通信に関する授業を主に担当。

普段の研究でも、場合の数を数え上げをよく利用している。

イラスト/シライカズアキ

 

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