政治を愛するお嬢様芸人のたかまつななさんに毎月気になるニュースを紹介してもらう「たかまつななの気になる数字ですの♪」。若者の政治離れが叫ばれる昨今。原因は若者だけにあるのではなく、日本の政治を取り巻く環境にあるかもしれません。コラム中には数字がもりもり! 学びながらロト・ナンバーズの予想数字を考えてみてはいかがでしょうか。
伝説の授業
現役東大生のお笑い芸人が偏差値44の高校の投票率を84%にした伝説の授業がございます。そう、そのお笑い芸人というのは、私です。2016年7月の参議院議員選挙の10代の投票率は、平均で45%でした。ですが、私がとある高校で授業をしたところ、その学校で選挙権をもっている生徒の投票率は、84%にまでなったのです。たった1回の授業、90分で実現しました。
現在、私は23歳。ちなみに、20代の投票率は、35%でした。少子化で、ただでさえ、人口が少なくなっている若者世代が選挙に行かないと、ますます若者の声は政治に反映されにくくなってしまいます。そんなことに問題意識を持ち、私は、「笑える!政治教育ショー」を作り、全国の学校を駆け回っています。
選挙に行かなければ義務にすればいいという人がいます。例えば、ボリビアでは選挙に行かないと、3ヶ月間、お給料が振り込まれないんです。フィジーでは、選挙に行かないと投獄されてしまいます。
一方、政治を義務化したら、選挙の質が下がるという意見もあります。無理矢理行かされたら、適当に名前を書いたり、有名な方をはじめたとした、タレント議員がたくさんうまれたりしてしまうのではないかという懸念があるのです。
例えば、中米のコスタリカでは、子ども選挙というのを実施しています。18歳から選挙権を持ちますが、まだ選挙権を持たない3歳~17歳までの子どもたちも本物そっくりに投票しています。小さい頃から、親と一緒に投票所に行く習慣をつけているのです。
政治の面白いコンテンツを!
私は、18歳選挙権が導入され、政治の面白いコンテンツがない!このままじゃヤバイ!と思い会社を設立しました。間もなく1年が経とうとしていますが、危機感しか感じません。政治というものにタブーし続ける社会。政治と宗教と野球の話は揉めるからしてはならないと未だに教育している会社があるそうです。
政治や宗教についての教育がないから、何か不安な時や孤独な時に出会ったら、しがみついてしまいたくなります。過激な政治活動に参加している方を取材すると、やはり、居場所をそこに求めている人が見受けられるのも事実です。今話題になっている女優さんも私の目にはそう映ってしまいます。
若いうちから、政治や宗教というものともっと向き合った方が健全な社会だと私は思います。ただ、想いは語れても、実現させなければなりません。まるで宝くじのようです。買って願いを託しても、当せんしないとただの紙切れになってしまう。絵に描いた餅にならないよう、若者がわくわくする社会になるよう奮闘しています。
※次回は3月29日(水)更新予定です。お楽しみに!
お知らせ
3月16日に『政治の絵本—現役東大生のお笑い芸人が偏差値44の高校の投票率を84%にした授業—』が発売されます。よろしければお読みくださいませ。
この伝説の授業を私の単独ライブで一夜限りで公開いたします!3月17~19日お時間ありましたら、ぜひ遊びにいらしてくださいませ~!
たかまつなな
お笑いジャーナリスト・お嬢様芸人・株式会社 笑下村塾代表取締役
フェリス女学院出身のお嬢様芸人として、テレビ・舞台で活動する傍ら、 お笑いジャーナリストとして、お笑いを通して社会問題を発信している。18才選挙権を機に、若者と政治の距離を縮めるために、株式会社笑下村塾を設立。「笑える!使える!政治教育ショー」を開発し、全国に出張授業・講師養成を行う。
芸能活動をする一方、東京大学大学院情報学環教育部、慶應義塾大学大学院政策メディア研究科で学業に勤しみながら、講演会・シンポジウム・ワークショップ・イベント企画など手がける。
夢は、お笑い界の池上彰になることである。
株式会社 笑下村塾HP:http://www.takamatsunana.com/