編集部に1本の電話がかかってきた。匿名を名乗るその人物は、ナンバーズ4で500万円当たったという。さっそく取材日を決め、インタビューを行った。すると、とんでもない当せん者であることが判明した!
人生変わるかなと思って買い始めたジャンボ宝くじ
「ちょうど2000年くらいのときだったと思います。ロト6が発売されて、1等最高4億円という内容に魅力あるなーと思って買い始めました」
そう数字選択式宝くじを買い始めたきっかけを話すのは、2019年にナンバーズ4でセットストレート
10口を当せんさせた神奈川県にお住まいの小池和夫さん(仮名)49才。しかも、2度目だという。
「ジャンボ宝くじは、それまでも買っていました」
聞けば、1回のジャンボ宝くじで10万円分ほど買っていたのだそう。
「一発当たったら、人生変わるかなーと思って(笑)」
しかし、ジャンボ宝くじで大きく当たることはなかった。そんなときに、ロト6に出合ったというわけだ。
「ロト6も、大きな当たりはなかったですねー」
それでもロト6で1等を当てた久慈六郎氏や雑誌などで見る多くの高額当せん者に憧れ、買い続けていた。さらに。
「ナンバーズも買っていましたねー」
毎回買うわけではなく、月に数回のペース。しかし、購入する金額は。
「1回に数万円でした」
「やるときはやれ!」というのが小池さんの性格。それが幸いしたのが、2015年の夏だった。「銀行のATMでナンバーズを買っていたのですが、前日までは10万円くらいしか残高がなかったんです」
ところが、次に残高確認したときの金額は600万円を超えていた。小池さん、咄嗟にこう思ったという。
「あー、ナンバーズが来たなって(笑)」
次に出てきたリアルな感想は、「やっと当たってくれたかー」という思いだったという。というのも、このときは同じ数字を9口の複数口で10回継続していたからだ。
「このとき選んだ数字は、雑誌に出ていた数字や、当時有料で購入していた予想情報の数字を組み合わせたものだったと思います」
実際に当せんしたのは、第4221回ナンバーズ4「8399」、セットストレート9口だった。
「現実的に考えれば、外れるのが当たり前で、当たるのはごく一部。でも当たるときは当たるもんだなーと」
気になる当せん金の使い道は、約2年をかけ、再びゆっくりと宝くじへと溶けていった。
「お金があると使っちゃうタイプなんですよ(笑)」
ところが、その翌年から考え方が大きく変わらざるを得ない状況になっていく。
実は小池さん、20才から46才くらいまで物流の仕事をしていたが、2017年に……。
「リストラみたいな感じで、会社を辞めました」
さらに追い打ちをかけるように両親が病にかかり、介護をしいられることに。
「そのときに思ったんです、(宝くじで大きな当たりを)狙うしかない。これまで大きな当たりのない人間だった自分が、当たってみるのもいい。そんな風に考えるようになったんです」
ナンバーズでセットストレートを9口当てていた経験も脳裏にあったのだろう。こうした状況下で、冒頭で紹介した「人生変わるかもしれない」という考えは、「人生を変えるしかない」に変わっていった。
ボックスを決めて基本はバージンストレート狙い
いろいろと苦労をされている小池さんだが、そもそも数字選びはどのようにしているのだろうか。
「当せん数字を眺めて、そろそろ出そうな数字(ボックス)を決めるんですよ」
ナンバーズを始めた当初は、本誌や予想サービスなどを利用していたが、なかなた当たりとのタイミングが合わなかった小池さんは、経験値も上がってきたころに、このやり方にしていったのだとか。
「ボックスを決めたあとは、並びをチェックするんです(下画像、月刊誌『ロト・ナンバーズ「超」的中法』掲載の「ナンバーズ4はこの数字がボックスで当たっている」を参照)。出ていないストレートの並びにするんですよ」
「ナンバーズ4はこの数字がボックスで当たっている」一部
いわゆるバージンストレート。これは、まだ出現したことのないストレートのことを言うが、ナンバーズ4の場合、「0000」から「9999」まで1万通りある。この記事を作成している2020年1月28日時点でもナンバーズの抽せん回号は第5357回。つまり、単純に1回ずつ出た計算でも未出現のストレートが4600通り以上あるということ。
「昨年当てた第5308回もそうでした」
注目したボックス数字は「1346」。どのようにして注目したのだろうか。
「確か9月に『1834』が出たんです。当時、継続して狙っていた数字に『1384』と『1386』があったのに、取り損ねてしまったんです」
買うつもりだったものを買えなかったときに限って出る、というナンバーズあるある。まさに、それにズッポリとハマった小池さん。
「悔しかったですよー。当たりでしたから……。だから、この数字を少し変えた数字に狙いを変えたんです」
そこで注目したのが「1346」だった。
「この数字は、ボックスで10回以上出ている数字なんです。よく出ている数字で、かつ出ていない並びにしようと考えて「1463」にしたんです」
失敗したときこそ重要と話す小池さん。そして、見事に第5308回(2019年11月14日)に大当たりを果たした。
第5308回ナンバーズ4「1463」セットストレート×10口 586万4000円当せん!!
「ここでくじけないこと、へこたれないことが大事です。どこでチャンスが回ってくるかはわかりませんから、当たっても外れても平常心が基本だと思っています」
外れ続けたこと、大きな当たりを経験したこと、さまざまな経験を経た小池さんがたどり着いた境地ともいうべき、ナンバーズに対するスタンスだ。
「こんな世の中ですから、心に余裕を持ちたいですよね。大きく当たれば、余裕も生まれますから(笑)」
そんな小池さんだが、数字選びにはほかにも参考にしていることがあるという。
「合計数はよく見ますね」
当せん数字をすべて足した数のことを合計数という。たとえば当せん数字が「1463」なら合計数は14(1+4+6+3)。合計数は、組み合わせの多いものと少ないものがあり、ナンバーズを攻略するうえで、非常に参考になるものだ。
「あとは、その週その週で出た当せん数字を書き出しながら、1週間単位で出ていない数字がないか、どの数字(基本はダブル数字)を狙い目にするかを考えるんです」
努力型ではないという小池さんだが、自分ができる範囲のことはやっていく、というのが小池流。
「『1384』みたいに取りこぼしてしまったときは、すごく反省するんですよ。でも、反省した後は、『お前はまだまだ頑張れる!』って自分に言い聞かせるんです(笑)」
非常に前向きな思考の小池さん。当せん者の多くに見られる鉄板の考え方だ。
「生きる」って何ぞや?そう自問し始めた昨今
「そういえば、最近『生きるって何ぞや?』って考えることが多いんです」
おもむろに深い話を始めた小池さん。
「20代、30代にも、ふっと考えたことはありましたが、そんなことは考えても仕方がないと思っていたんです。でも、50才を前にふと立ち止まって考えるようになりましたね」
職を失い、両親の介護に追われる日々。思うことは多いのだろう……。
「生きる意味、まだまだ答えは出ませんが、ナンバーズやロトはこれからも当てていきますよ」
そう笑って話す小池さん。生きる意味は、案外もう出ているのかもしれない。
※この記事は『ロト・ナンバーズ「超」的中法2020年4月号』の[夢の高額当せん者インタビュー]を一部抜粋変更したものです