サイトの「高額当せん者募集」に1通のメールが届いた。文面には、「2015年7月9日に、ロト6で2等の2152万500円をいただきました」と。さっそく、送り主K・Kさん(仮名)に連絡を取り、都内某所へと向かった!
家中に響くパパの声「3等当たったー」
2015年7月10日、いつもどおりの朝を迎えたK・Kさん宅。いつものように新聞で前日抽せんのあったロト6当せん数字をチェックしたK・Kさん。
「(あれ、数字が5つ当たってる)って思ったんです。すぐにママに、3等当たったよーって声かけました」
びっくりしたというよりは、おお3等が来たか、というテンションだった。
「奥からママが『取り替えてきてよー』って。初めての3等だったので一応確認してほしかったんですよ、だからちょっと見てよーと(笑)」
容易に想像できそうな、なんとも微笑ましい朝の一幕。……ではなくなった!
「ママが券と新聞を見て、『ボーナス数字入ってるんじゃない?』って」
そう本数字が5つ合って、かつボーナス数字があれば2等!
「子どもたちも起きてきて、もう家族で大騒ぎでした(笑)」
それもそのはず、このときの2等当せん金は、なんと2152万500円だったのだ。
「すぐにみずほ銀行に駆け込みましたよ」
券を預け、1週間後に当せん金はK・Kさんの口座に振り込まれた。
「正直、この当せには本当に助けられました」
当せん時の話をしてくれたテンションから違ったトーンに変わったK・Kさん。それには理由があった……。
いつもどおり会社に出勤するとそこはもぬけの殻だった…
「当たる半年前の話になるんですが、いつものように会社に出勤したんですよ」
すると、会社はもぬけの殻だった……。
「倒産していたんです」
あまりに突然の出来事だった。
「あれー、どうしよう……って」
すぐに就職活動を開始したが、なかなかうまくいかない日々が続いた。そんな折、交流のあったスピリチュアルカウンセラーの先生に、藁をもつかむ気持ちで相談した。
「先生が言うには『サラリーマンではなくて自営業をしてみては』というアドバイスをいただいたんです。会社勤めばかり考えていたので、ハッと思いましたね」
しかし、そうこうしている間も生活は苦しくなる一方。妻のパート収入と合わせながら、なんとか食いつなぐ日々が続いていた。
「だからロトの2等は本当に助かりました」
食べることに関しては当分困ることはなくなり、気持ちにも少し余裕ができるようになった。さらにK・Kさん「書」に長けていた。
「ママにも言われたんですが、梵字を書く仕事をしてみようかなって」
仕事を探しながらも、5年ほど梵字を書き続けた。
「最近はようやく売れるようにもなってきたんですよ」
不遇の倒産、そこから人生の方向修正と厳しい道を進んできたであろうK・Kさん。表情からもうかがい知ることができる……。
第983回ロト6「15 19 32 35 36 38 (31)」
2等2152万500円当せん!!
当たる予兆か!?パーソナルスペースに……
人生の再出発にも成功したK・Kさん。そもそも宝くじとの出合いは、ロト6発売当初までさかのぼる。
「これといった趣味もなかったので、買い始めたんですよ。数字は思いつかないので、ずっとクイックピックですが(笑)」
転機になったのは、息子さんの誕生だった。
「息子の手相を見たら、マスカケだったんですよ」
知能線と感情線が1本になる別名・天下取りの手相。強運に恵まれるといわれ、かの徳川家康もマスカケだったといわれている。
「息子が、何か持ってるんじゃないかって思ったんです」
そこでロトに加えて、ナンバーズ4も購入したところ……。
「すぐにボックスが当たったんです!」
ちょうどこのとき、飼っていた猫が尿管結石になり、その治療に当せん金が消えてしまったという。
「不思議なことに、お金が必要になったときに当たるんですよ」
金運に恵まれているのか、はたまた本当にマスカケ線を持った息子さんの影響か、そこは定かではないが、くじ運や金運の類はかなりよさそうなK・Kさん一家。今回のロト6・2等も窮地に立ったときの当せん。不思議なものを感じる。
「今回のロト6当せんなんですが、当たる前にいつもはないことが起こっていたんですよ」
それはいたるところで起こったという。
「たとえば銀行のATMに並ぶじゃないですか、普通前後の人との間隔って50センチは離れているんです」
いわゆる「パーソナルスペース」と呼ばれ、他人に近づいてほしくない自分固有のスペースのことだ。
「この50センチ以内に寄ってくるんですよ」
ときには、前に並んでいた夫婦が痴話喧嘩をはじめ、足を踏まれたこともあったという。さらに……。
「車を運転していると、後ろにぴったり付けられるんです」
ややもすると、昨今問題になっている煽り運転だが、そういう類ではないと話す。
「これ以上は寄せないでーって思うような感じですね」
さらにさらに、道を歩いていても人がよくぶつかってきたのだという。
「普通なら喧嘩ですよね(笑)」
しかし、このときはぶつかってくる=当たることととらえ、ラッキーなことだと思えたのだという。なかなか生きづらい昨今、こうした余裕のある考え方は宝くじ云々でなくとも見習いたいものだ。
「あと、パーソナルスペースではないですが、こんなこともありました」
コインランドリーで服を乾燥させていたときに起こった。「時間になったので、取りに戻ったら、洗濯ものが全部出されてたんです(笑)」
なかには下着もあった。
「こんなことって、滅多にないですよね。自分のスペースにどんどん人が入ってくるんですよ」
こういった出来事が頻発したときに大きな当たりが訪れた。
「不思議なことに、当たったあとは一切なくなったんです、そういうことが」
パーソナルスペースが侵されるときは、もしかしたら当たりが近いときなのかもしれない……。
当せん金の一部で家族全員それぞれの欲しいものを!
当せん金の一部で家族それぞれ欲しいものを買ったというK・Kさん。
「私は欲しかったマツダの車を買いました」
自然と笑みがこぼれたK・Kさん。
「ママは、血統書付きの猫を2匹、娘と祖母は旅行」
さらに当時はまだ子どもだった息子さんには、「映画『スター・ウォーズ』に出てくるおもちゃのライトセイバーを買ってあげましたよ」
といっても、数万円するライトセイバーだという。
おもちゃのレベルを超えている。これこそ、宝くじドリームである。
ちなみに、宝くじを当てる秘訣を聞いてみると。
「求めると逃げていくと思うんです、宝くじって。だから楽しむこと、が大事だと思います」
ロト6・2等を実際に当てた当せん者だからこそ言える秘訣。最後に今後の目標を聞いてみると。
「やっぱり億を当てたいですね!」
そう目を輝かせるK・Kさん。再び取材する日もそう遠くないのかもしれない。
※この記事は『ロト・ナンバーズ「超」的中法2019年11月号』の[夢の高額当せん者インタビュー]を一部抜粋変更したものです