一通の封書が編集部に届いた。開封すると、ナンバーズ3&4の当たり券のコピーが山のように入っていた。その額、ざっと1000万円以上。しかも2019 年だけの当せんだと書かれていた! さっそく、送り主と連絡を取り、沖縄へと向かった。
当てる秘訣は「普通の考え方をしないんです」
「今年は、当たり年ですよ」
エネルギッシュにそう話してくれるのは、今回の主人公RZさん(仮名・49才)。取材当日である2019年12月19日時点で、この年のナンバーズ3&4当せん総額は、驚きの1236万円。とんでもない金額である!
「私ね、ちょっと変わった方法で予想してるんですよ」
そういって取り出したのは、本誌の付録「ナンバーズ3&4全抽せん数字BOOK」。
「10月21日(第5290回)に自己最高金額を当てたときは、こうやったんです」
いきなり当て方をレクチャーしてくれるという。なんとも太っ腹だ。その攻略法だが、まず予想する回の前回の当せん数字をチェックするという。
前回の当せん数字を活用!その活用法が独特だった!!
「ナンバーズ4を予想するなら、前回のナンバーズ3の当せん数字を見るんです」
普通、ナンバーズ4を予想するなら、活用するのはナンバーズ4。ところがRZさんは、ナンバーズ3の当せん数字を活用するという。このときは、10月18日(第5289回)で当せん数字は「776」。
「この『776』を数字としてではなく、回号で見るんです」
つまり、第776回。かなり昔の回号だが、これがミソ。この回号の前後2回分を加えた計5回分の当せん数字を書きだす(下表参照)。
「この5回分の当せん数字から、数字を選ぶんです。ほとんどこのなかに当せん数字が入ってますね!」
どの数字をどう選ぶかは自分のカンだと話すRZさん。
「カンですけど、毎回こうやって数字を出して選ぶと、ときに傾向があったりするので、面白いですよ」
RZさんの数字選びは、これまで本誌で紹介したことのない方法。
「人と同じことをしていたら、当たっても配当が安いでしょ。だから、自分だけの攻略法をするんですよ(笑)」
非常に理にかなった考え方。いったいどのようにして編み出したのだろうか。
「僕ね、普通の考え方をしないんですよ」
確かに普通では考えにくい方法を編み出している。笑いながら話すRZさんだが、普通の考えをしなくなるだけの壮絶な体験が過去にあった。
九死に一生を得たというわずか3才のときの大やけど
「3才のときに大やけどしましてね……」
背中を中心に体の70%という広範囲にわたる大やけどを負ったRZさん。
「母親が食事の準備をしているときに、煮ていたものをいたずらして被ってしまったんですけど、記憶があまりないんですよ」
すぐさま救急搬送され、集中治療室へ。
「何にも覚えていないんです」
親戚一同が病院へ呼び出された、と表現すれば当時の緊張感が伝わるだろうか。まさに九死に一生を得たRZさん。
気が付いたのは、病院のベッドの上でした。やけどが痛くて痛くて……」
退院までかかった期間すら覚えていなかった。それでも、何とか退院することができ、日常生活へと戻ることができたRZさん。しかし、大やけどの痕は、ひどいものだった。
「からかわれるんですよ」
それは小学校での健康診断での出来事だった。
「やっぱり、嫌でしたね。やけどのことを思い出してしまうから」
RZさんの体に刻まれた、いまでも残る大やけどの痕
当時、担任だった先生の気遣いで、以降の健康診断ではRZさんだけ後回しにしてもらえることになったのだとか。
「このころですよ、やけどによって、考え方が人と違うようになったのは」
幼少時に人と違う考え方、と思えること自体がすごいが、確かに違うと感じたという。もしかしたら、大やけどでの生死をさまよった体験が、これまでになかった力を目覚めさせてしまったのかもしれない。
そもそもRZさんがナンバーズを始めるきっかけは何だったのだろう。
元来の負けず嫌いがナンバーズにハマるきっかけ
「20年くらい前ですが、職場の先輩がナンバーズをやっていたんですよ」
ジャンボ宝くじなどはたまに買うことがあったRZさんだが、自分で数字を選ぶくじを目の当たりにし、面白そうだと興味が湧いたのだという。
「もともと好きなんですよ、パチンコとかギャンブルが(笑)」
ところが、試しに買ってみたナンバーズは見事に外れた。
「悔しい気持ちでいっぱいでしたよ」
元来の負けず嫌いのRZさん。一気にナンバーズにハマっていった。
「最初のうちは、家族の誕生日を買っていたんですが、どうにも当たらない」
そのうち、あることに気がつく。
「事故を起こした車のナンバーが当たっていることが何回かあったんです」
不謹慎だとはわかっていたものの、事故を起こした車を見かけては、その数字を買い、何度か当せんしたRZさん。しかし、この方法でも当たらなくなってきた。
「やっぱり自分の攻略法を考えないと、と思い始めました」
こうして考えだされたのが、冒頭で紹介した攻略法なのだ。人とは違う視点、考え方があったRZさんだからこそ、完成した方法。
にこやかに話すRZさんだが、実は3人の子どもの父親でもあった。
「長女が22才でもう働いています。長男は19才、次女は小6」
さぞ仕事も大変なのだろうと思いきや……。
「いま、働いていないんです。しいて言えば、ナンバーズで食べていますね」
にわかに信じがたい言葉。ただ、2019年だけで1300万円以上当てていることを考えると、あながちない話でもなさそうだが。
第5290回ナンバーズ4「0093」ストレート×4口=462万7600円当せん
父の他界をきっかけにどん底の生活が一変!
「3年前に父親が亡くなりましてね」
RZさんの父親は、非常に勤勉な方で生涯公務員だったという。
「本当は父親の遺産が結構あって、それで暮らせているんですよ」
遺産が入る前はお金のない生活だったと話すRZさん。
20才から35才までは警備の仕事でならし、36才以降は営業職に転職したRZさん。収入も多いわけではなかったため、生活に困窮することもあった。
「どうしようもなくなると父親に借りに行くんですが、こっぴどく怒られましたよ(笑)」
時には借りる札束で頬を叩かれることもあったという。そんなどん底生活が、遺産をきっかけに逆転したのだ。
「すごく尊敬していた父親だったので、遺産は大事に使わせてもらっています」
その言葉を証明するかのように、宝くじに対する考え方もしっかりしていた。
「いまは当たっているからいいですけど、そんなに無茶をしないように、購入する上限は決めていますけどね」
きちんと足元も見ながら、ロトやナンバーズを楽しんでいる。なんとも、優雅である。
「やはり、気持ちにも余裕がないと大きな当たりは来ないような気がします」
多くの当せん者が口をそろえていう言葉。RZさんも例外ではないのだろう。
改めて2019年の当せん歴を見せてもらうと、あることに気づく。それは……。
「口数は増やしてます!」
購入する組み合わせは絞るが、口数を上げていく。それがRZさんのやり方。THE匠として知られる力丸専務もこのやり方だ。
「買うときにこう思うんです。『みんなから集めたお金を僕がもらうよー』って(笑)」
非常にポジティブな考え方である。
「あとは、台所の神さまのウガンジュ(火の神)に毎日お祈りしてるんですよ」
これは当たるためのお祈りではなかった。
「家族の健康を願ってお祈りするんです」
幼少時、大やけどを負った台所で火の神にお祈りする。なんとも、深い話である。
「実はね、クイックピックも結構買うんですよ」
唐突に話しだしたRZさん。確かに当せん券コピーを見ると、クイックピックが多い。
「これ、とっておき。ボックスやセット、ストレートを散らして、口数を増やして購入すると結構当たるんです」
なんととっておきの方法まで教えてくれたRZさん。最後にロトやナンバーズの魅力を尋ねてみると。
「大当たりしたときに『当たったぜー!』って脳内で何かが出る感じがするんですよ。この気持ちを味わうためですかね(笑)」
まさに当せんモンスターともいえるRZさん。これからも当たりを重ねていくに違いない。
※この記事は『ロト・ナンバーズ「超」的中法2020年3月号』の[夢の高額当せん者インタビュー]を一部抜粋変更したものです