編集部に一通の封書が届いた。送り元は北の大地、北海道。なかを見ると、ミニロト1等の当せん証明書が入っていた、その額なんと783万円! さっそく送り主に連絡を取り、北海道へと飛んだ。
ミニロト1等783万円当せん者が語る「今日はなんて日だ!」
「当せんした券を買った日、実はいろいろありまして……」
そう話し始めたのは今回の主人公・ロードギガースさん。大の競馬ファンである。
「僕は週1回、1レースだけ競馬をするんですが、この日は3万円大負けしまして……」
競走馬関連の仕事に従事している親族がいることもあって、幼いころから競馬が身近にいたロードギガースさん。二十歳を超えてから競馬を始め、気が付けば週1回、1レースに集中して賭ける、というルーティンが生まれていた。この日も日曜日で、朝から決めたレースに興じていた。
「あまり大負けをしたことがないのですが、この日は3万円負けて、なんかモヤモヤしていました」
負ければモヤモヤするのは、宝くじも同じ。やはり、お金がかかると負けたときには、こういう気持ちになるのだろう。そんなタイミングだった。
「同棲していた彼女がいたんですが、電話で急に別れようって話になって」
その彼女とは仕事の時間帯が合わず、すれ違いの日々だったという。そんな、会話も少ない状況だったせいか、たまに顔を合わせると喧嘩、という日々だったとか。
「モヤモヤしていた気持ちが、一気にイライラに変わりましたね(笑)」
まさにこの日にピークを持ってきたかのような別れだったと話すロードギガースさん。さらに……。
「この日は、友人とプロレスを観に行く約束をしていたんです。でも待てど暮らせど、来ないんですよ(笑)」
遅刻である。悪いことは重なるもの。イライラは最高潮に達した。
「今日はなんて日だって感じでしたよ。そのときに待ち合わせ場所を見まわしたら」
そこに、宝くじ売り場があった。
「なんていうか、ダイヤモンドみたいに光っていたんですよ。こんなこと言っても信じてくれないですよね(笑)」
にわかに信じがたい表現だが、売り場がキラキラして見えたという。
「どうせ時間もあるし、競馬も大損したし、もうやけっぱちですよ」
それまでナンバーズを買ったことはあったが、ロト系の宝くじを買ったことがなかったロードギガースさん。
「ロト6とミニロトのどちらかにしようと思って、売り場の説明を見たらミニロトのほうが確率が高いってわかったので、ミニロトにしました」
購入口数は10口(2000円)。
「クイックピックは嫌だったので、全部直感で数字を選びました」
この後、友人と無事に合流し、プロレス観戦で発散したロードギガースさん。買ったミニロトのことはすっかり忘れてしまった。
酔っぱらった状態で確認何度見ても当せん数字と同じ!
週が明け月曜日、火曜日と普段どおり仕事。ほぼ毎晩お酒をたしなむというロードギガースさん。
「火曜日もいつもどおり部屋で一杯やってました」
ふと、買っていたミニロトのことを思い出した。
「どうせ当たってないと思っていたので、何も期待しないで確認したんです」
すると、買った券に当せん番号がまったく同じものがあった。
「酔っぱらっているのかなって、何度も確認しました」
ついでに、回号が違うんじゃないかとも思ったロードギガースさん。
「回号、抽せん日、当せん番号、順に何度も確認したんですが、やっぱり1等なんですよ(笑)」
第1051回ミニロト1等783万9100円の当せん証明書!
すぐに父親に電話をかけた。しかし……。
「夜中の12時過ぎだったんですよ、電話したのが。父親は出てはくれたんですが……」
父親からは「嘘だろ、酔っぱらってるだろ」と、まともには取り合ってくれなかった。それでも、「朝起きて、本当だったらまた電話してくれ」と言って電話を切られたという。そして、翌朝。
「電話しました(笑)。そしたら、よかったな! 無駄遣いするなよって」
なんとも微笑ましい家族のやり取り。家族仲はとてもよいと話すロードギガースさんだが、それが垣間見えるエピソードだ。で、気になる換金だが。
「朝一でみずほ銀行に行きました。確認に時間がかかるので、券を預けて連絡待ちになりました」
1週間ほどして連絡があり、銀行へ。
「口座に振り込むか、現金にするか、ということだったので、現金でもらいました」
その額、783万円!
「あー、本当に当たったんだなーって思いました」
大金を手に一度部屋に戻り、改めて当せん金を眺めた。
「不思議と使ってやろうって気持ちにはなりませんでした」
実はかなり堅実なロードギガースさん。競馬でも週1回1レースと決めているように、使うお金もしっかり決めて管理している。今回の当せん金も、臨時収入だったため、何かに使うという予定はなかった。
「臨時収入だったので、両親に100万円、妹に30万円プレゼントしました」
そして、残りは貯金に。すこぶる堅実である。
「でも100万円だけ自由に使ってみたいんです」
聞けばラスベガスに行ってカジノで遊んでみたいと話すロードギガースさん。
「でも、新型コロナの影響でしばらく行けそうにないですけどね(笑)」
まさにビギナーズラックのような形で大きなお金を手にしたロードギガースさん。何か心がけていることはあるのだろうか。
「今日はなんて日だ!」に観戦したプロレスのパンフレット。こういったものまで、しっかりと記録している!
競馬予想には1レースのために1日割くという念の入れよう!
「宝くじを当てるために、というのはないのですが、競馬の場合は予想に1日かけますねー」
なんと1レースのために1日かけてじっくり予想するという。
「注目している馬の過去の動画とか見るんですよ。あとは血統とか直近の競走データですね」
まさに生粋の競馬ファン。
「あと、当ててやろう!って気持ちが強いです(笑)」
予想にしっかりと時間をかけることと、当てるという強い気持ちが相まってか、これまでの戦績はトントンだと話すロードギガースさん。ほかにも、何かやっていそうな感じがするが……。
「しいていえば、トイレ掃除ですかね」
高額当せん者の多くがやっている掃除、特に水回りの掃除はほとんどの当せん者がしている。ロードギガースさんも例外ではなかった。
「会社の社長に誘われて行ったセミナーで、あまり乗り気ではなかったんですが、ひとつだけ興味のある話をしていたんです」
それがトイレ掃除だった。
「成功した人や、お金持ちの人の家のトイレは一様にピカピカ、という話を聞いて納得したんです」
風水でも水回りの掃除は必須。知らないうちに、当たるルーティンを作っていたのだろう。
「寿司を食べたあとは、割と勝つことが多いですね(笑)」
特にカニの寿司が効果があると話す。実に興味深い。
「あと、爪の手入れもしていますかねー」
見ると、爪は磨かれピカピカ。風水では爪には厄がつきやすいので、清潔にしておくというのが鉄則だが、まさにそれを実践しているようだ。
「そういえば、財布にも気を遣っているかも」
そう言ってルイ・ヴィトンの長財布を取り出したロードギガースさん。
「お札は1万円札を一番上にして、財布を開いたときに(福沢)諭吉さんと目が合うようにしているんです(笑)」
自分のルール、こだわりをしっかり持っている。これも高額当せん者たちに共通する要素だ。最後に今後の目標と読者のみなさんへのアドバイスを聞いてみると。
「ロト6の1等を当ててみたいですね。仕事がら車で遠出することが多いので、出先でこまめに買ってみたいです」
さらにアドバイスは。
「僕は本当に怒りが頂点に達したときに買ったくじで当たったので、みなさんももし怒りが頂点に達したときはチャンスだと思って宝くじを買ってみてはどうでしょうか?」
これまでにない当せんエピソードだったロードギガースさん。競馬に加え、これからはロトでも楽しんでいきそうである。
ミニロト1等が当たって1カ月後に、ふと思い立って買った関東・中部・東北自治宝くじで2等30万円に大当たり! その記録をしっかりノートに付けているロードギガースさん。マメさがうかがえる!
※この記事は『ロト・ナンバーズ「超」的中法2020年6月号』の[夢の高額当せん者インタビュー]を一部抜粋変更したものです