編集部に一通のお便りが届いたのは新型コロナウイルスもやや落ち着きをみせていた10月上旬。ミニロト1等の支払証明書とともに、丁寧に綴られた手紙を読んでみると、当たりの予兆は「八福神さん」だという。ん?七ではなく八?不思議に思いながらも、さっそく連絡を取り、送り主のもとへ向かった。
“八”福神がつないでくれたミニロト1等884万円と不思議な縁
1等当せんを呼び込んだのは徹底的にこだわったお参り!?
八福神大好き(仮名)東京都・66才
「神社仏閣めぐりが好きなのは父親ゆずりなんでしょうね」
落ち着いた声音で話すのは、お便りの送り主である八福神大好きさん(66才・仮名)だ。
「私も以前は八福神めぐりがあるなんて知らなかったんですよ」
そう、気になるのはその数字だ。福をもたらすとして、昔から信仰されてきた七柱の神様=七福神はよく知られている存在だ。七柱が安置されたお寺をめぐることでご利益を願う七福神めぐりも全国各地でさかんに行われている。
「知ったのは書店のガイドブックです。よく読んでみると、東京にもそのひとつ、『八王子七福神』があることがわかりました」
名称は八王子七福神だが、実際に回るのは八カ寺、八福神だ。ちなみに、八王子以外にも八福神は存在しているが、それぞれ一柱加える神様が異なる。八王子では恵比寿天、走(はしり)大黒天、福禄寿、毘沙門天、布袋尊、寿老尊、弁財天の七福神に吉祥天が加えられているそうだ。
「吉祥天さんは幸福や美、富の神様ということで縁起がよさそうだと思ったのがきっかけですね」
知ったからにはお参りしたい。そう思った八福神大好きさんはさっそく翌年の正月に行動にうつす。
「これも親の影響なのですが、『一年の計は元旦にあり』とよく言っていたので、何かを始めるにはもってこいかな、と」
2018年の元日。朝の9時からしっかり3時間半かけて八ヵ寺をめぐり、御朱印をいただく。
「お賽銭にもこだわりがあるんですよ。きっちりきっかり115円、いいご縁がありますように、って。親から『お参りする際は日頃の感謝を込めてお礼しなさい』と言われてきたので、お願いごとももちろんですが、まずは日々つつがなく過ごせることへの感謝を伝えていますね」
ここにもお父様の教えが脈々と受け継がれているようだ。御朱印を集めた色紙はリビングに飾り、手を合わせた。
元日に結ばれた八福神さんとのご縁。そのご利益はすぐに顕れた。わずか半年後にミニロト1等に当せんしたのだ。
毎朝、新聞でチェックするのが日課の八福神大好きさん。いつものように確認していると……。
「当せん数字がぴったり一致していて。見間違いかと何度も確認しました」
次に当せん金に目を移すと、“8”のぞろ目が見えた。ここでも“8”……。不思議な縁を感じつつも、信じきれずに一人でボーっとしていたそうだ。
「しばらくして家族にも確認してもらいましたが、そもそも買った券が本物かと疑われました(笑)」
信じてもらえないまま、近所の売り場で再度確認。1等当せんは紛れもなく事実で、その足で銀行へ。
「当せん証明書の控えを持ち帰ってやっと妻にも信じてもらえました。いつもは仕事帰りに寄り道する娘も、この日ばかりは飛んで帰ってきましたよ(笑)」
その夜、当せん金884万円の使い道について家族会議が開かれた。
第981回ミニロト1等884万7200円の
宝くじ当せん金支払証明書!
「半分は預金して、残りは会計事務の仕事をしていた妻に任せました」
迷うことなくすべて奥様に委ねてしまうとは! 八福神大好きさんの泰然自若さと深い家族愛がうかがえる。
日帰り旅行が好きだという八福神大好きさん一家は、当せん金を旅行費用として使うことに決めた。月に数回、行ったことのない温泉郷やなかなか行けないワンランク上のリッチな旅行も楽しんだそうだ。
しかし話はそれだけでは終わらない。
「同じ年の年末ジャンボ宝くじで10万円が当たったんです。今まで当たっても1万円止まりだったので、これほどご利益がいただけるものかと驚きましたね」
第770回年末ジャンボ宝くじで
4等10万円の当せん!
一家に訪れた当せんラッシュ。2018年は八福神大好きさんにとって忘れられない年となったようだ。
「2019年の元日は家族そろって八福神をめぐりました。7年お参りすると金の色紙がもらえるので、毎年続けて今年で3年目になりました」
もちろん当たったらお礼参りも忘れない。高額当せんして以来、1ヵ月に1回は八ヵ寺のいくつかを訪れてご挨拶しているそう。変わらず神様とのご縁を大切にしているようだ。
「お礼参りの帰りに宝くじを買うと、当たることも多いですね」
元日から10 日までの期間限定で行われている「八王子七福神めぐり」の色紙。寺院ごとに色紙に御朱印を書き入れてもらう。八カ寺すべて揃った様は壮観だ!
当せんラッシュはまだまだ続く。ナンバーズでも快進撃!
八福神大好きさんが数字選択式宝くじを始めたのは今から8年前のこと。仕事仲間がナンバーズで当たっているのを見て買い始めたそうだ。
「ナンバーズは毎日、基本はセット買いで5口買っています。予想もしますが、深く考えすぎるとドツボにハマっちゃうので、そんなときはクイックピック(QP)で」
けっこうQPに頼ることも多く、思いもよらない数字が出るので好きなのだそうだ。
一方で、自分が決めた道は突き進むことをモットーにしている八福神大好きさんは、これと決めた数字は数カ月でも買い続けるという。予想の根拠は過去のデータだ。
第5393回ナンバーズ4ではセットストレートとセットボックス3口を射止め、40円万超えの当せんを果たしている。当せん数字である「4097」はかつて初めてセットストレートを取った思い入れのある数字。以前も同じボックスが間を置かずに出現していたことに着目し、似た数字が出はじめた1月から「近いうちに出るのでは?」と見越しての勝利。見事!
「そんなこんなで2020年の打率は2割、当せん総額は130万円を超えました。ミニロトでも3等が当たったりと、なかなかいい成績で1年を終えられそうです」
潮目が変わった2018年からロトだけでなく、ナンバーズでも快進撃を続けている八福神大好きさん。これもひとえに八福神さんのおかげだと笑顔だ。
当せん券のコピーを新聞の切り抜きとともにファイリングしている八福神大好きさん。丁寧でマメな人柄がうかがえる!
しかし取材も終盤に差し掛かった頃、ふと八福神大好きさんの顔が曇った。
「宝くじも八福神めぐりも続けることに意味があると思うんです。でも新型コロナウイルスの影響で2021年はお参りに行けるかどうか……」
聞けば大好きな日帰り旅行も新型コロナウイルスが流行りはじめた2020年の2月から控えているという。
「くじを買ったらいつも自分にとって楽しいことを想像しながら眠りにつくんです。翌日の新聞での当せんチェックを楽しみにしながら。私にとって宝くじは夢を与えてくれる存在なので、コロナだからってやめられないですよね」
八福神さんが叶えてくれた当せんの夢。新型コロナウイルスの収束を願うとともに、気兼ねなくお参りや旅行に出かけられる日々を待ち望んでいる八福神大好きさんに幸あれ!
※この記事は『ロト・ナンバーズ「超」的中法2021年3月号』の[夢の高額当せん者インタビュー]を一部抜粋変更したものです