読者アンケートに封入されていた一枚の手紙。そこにはビンゴ5・1等に当せんしたという内容と当せん金が振り込まれた通帳のコピー、さらに当たるまでの経緯が書かれていた。経緯を読み進めていくと、そこにはドラマチックとしかいいようがない驚きの展開が。詳細を知るべく、さっそく電話にて取材を敢行した。
強く思った願いが叶った!?財布の紛失からつかんだビンゴ5・1等326万8400円当せん!
きっかけはお財布の紛失!?そこに舞い込んだビンゴ5の1等当せん
きすけどんさん(仮名)宮崎県・58才
「300万円くらい当たらないかなーと思っていたんです」
そう話すのはビンゴ5で1等当せんを果たしたきすけどんさん(仮名・58才)。300万円とはずいぶん具体的な金額だが……。
「コロナ禍でね。仕事も転職して生活スタイルが変わったんですよ」
長期化する新型コロナウイルスによる経済の悪化。このあおりを受けたきすけどんさんはこれまで勤めてきた仕事を変わることになったのだという。
「次が決まるまでは人材派遣などでつないでいました。ただ、国民健康保険税と自動車税などでざっと10万円の支払いが一時的に難しくなってしまって……」
そこに毎月返済はしていたものの、車のローンや携帯料金、光熱費などのクレジットカードの支払いが。その金額がざっと250万円ほどというわけだ。
幸いにしてすぐに定職は決まったものの、一括でいきなり支払える額でもない。
「だからね。当たる直前までずっと思っていたんですよ。“300万円当たれば、全額返金して少し余裕ができるなぁ”って」
この「300万円」という数字、読者の中でピンと来た方もいるだろう。
今回きすけどんさんが当てたビンゴ5第218回の1等当せん金が326万円。そう、ほとんど同じ金額なのだ。しかも、きすけどんさんが願っていた通り、支払いを済ませても余裕があるちょうどいい金額というのが驚きだ。
「不思議ですよね。でもそれだけじゃないんです」
偶然にしてはいささか出来すぎているような金額の一致だけではないイレギュラーな出来事が今回の当せんにはあったのだという。
第218回ビンゴ5「03 08 14 17 22 29 32 39」
1等326万8400円当せん!!
当せんの前日の朝、夜勤明けのきすけどんさんはいつものように予想したビンゴ5の数字をマークシートに記入。
食事を買いに出かけたついでに売り場に寄るつもりで準備していた。しかしはたと気づく。
「どこを探しても財布がないんです」
鞄の中はもちろん部屋中を探しても見当たらない。さらに車、会社まで戻って探したものの、見つからなかったきすけどんさん。
「いやー焦りましたよ。とにかくまずはクレジットカードをストップさせないとと思って」
いったん家に戻ったが、その日の夜も仕事だったきすけどんさんは限られた時間のなかで必死にもう一度財布を探しまくった。
そのかいあって、なくなったかに思われた財布がベッドと壁の間に落ちているのを発見!ほっとしたのもつかの間、いざビンゴ5を買いに行こうにも時間がないことがわかった。
普段から売り場での現金払いで宝くじを買っていた手前、ネットでのクレジットカード払いには抵抗があった。しかし、毎回購入している宝くじを買わないのもどうにも落ち着かない。
「ナンバーズが始まった頃から数字選択式宝くじは買い続けていますから。もはや毎日のルーティンワークの一部なんでしょうね」
どうにも諦めきれなかったきすけどんさん。スマートフォンで宝くじ公式サイトを見ていると、ふと宝くじポイントが貯まっていることに気づいた。
「ちょうど400ポイントあったので2口買えるなって」
あらかじめ数字は予想していたが、状況が状況だったのでクイックピックで2口、ポイントで購入。その1口が見事1等当せんとなったのだ!
「信じられませんでしたね。それまでは2口買っても200円、5口買っても200円がせいぜいだったので」
ネットで当せんしているということはわかっていたものの、どうしても信じられなかったきすけどんさん。翌日、いつも行く売り場の販売員さんにも画面を見せて確認してもらったそうだ。
「そうしたら『なんでこういうときに限ってうちの売り場で買わないの!』って言われちゃいました(笑)」
そんな販売員さんとの気安いやりとりも長年通っているからこそのエピソードといえるだろう
ネット購入だったため、当せん金は1週間ほどで振り込まれ、うち250万円は願いどおり返金に充てたそうだ。
▲通帳にはしっかりと宝くじ当せん金として326万8400円が振り込まれていることがわかる!!
当たらなかったときの難しさと当たったときのうれしさが宝くじの魅力
今回はクイックピックでの当せんとなったが、普段はどのように予想しているのだろうか。
「ビンゴ5って前回の抽せん数字から引っ張ることが多い気がするんですよね。ですから、直近の出目からいくつか数字を選んで予想しています」
この自身の予想数字で1口、さらに2口目はクイックピックで買うそうだ。
「クイックピックといってもけっこう自分の予想数字に影響を受けることがあって。そこが面白いと思っているんです」
前述のように、数字選択式宝くじは発売当初から買ってきたというきすけどんさん。スタートはナンバーズ3とナンバーズ4だが、最近はもっぱらロト6やロト7で勝負することが多い。
「買う口数はそんなに多くありません。ロト6は4口、ロト7は3口で勝負しています」
宝くじを長く楽しんでいる人ほど購入口数の上限を決めていることは多い。買えば買っただけ当たるわけではないことを知っているし、一気に大きく賭けても続かないことをわかっているからこそだろう。
「自分で選んだ数字で買うことが多いですね。とくに直近の抽せん数字から予想を立てることが多いです。抽せん数字を見ていると、ビンゴ5だけでなくロトでも直近から数字が引っ張ったり、スライドしていることもよくあるので」
ロト6やロト7での研究にも余念がない。直近の数字の流れを見ながら予想を立て、ロト6では3等63万円が当せんしたこともあるそうだ。
「売り場にもこだわりますよ。今回はネットでしたけど、感じのいい販売員さんや、この販売員さんから買うと当たるといった自分にとって相性のいい販売員さんのいる売り場と決めています」
だからこそ今回の当たりは売り場で出したかったとも語るきすけどんさん。売り場とのコミュニケーションを大切にしている人柄がうかがえる。
実際、相性がいいと思った販売員さんが異動で売り場が変わったときには、きすけどんさんも通える範囲でその売り場に足を運ぶというから徹底している。
「とても相性のいい販売員さんがいて。売り場が動くたびに、私もその後を追いかけるように売り場を変えていたんです。でも最近さらに出世されたみたいで。内勤業務になられたのか、会えなくなってしまいました……」
もしかしたらその販売員さんの出世に一役買った当たりを出していたのはきすけどんさんなのかもしれない。それほどまでに売り場の販売員さんとの縁をいかに重要視しているかがわかる話だ。
予想も自力で。購入は売り場で。そう聞くとなおのこと今回の当せんがいかにイレギュラーであったかがわかる。しかも、思っていた願いが実現するような当たりなのが宝くじの妙であり、宝くじドリームらしい1等当せんといえるだろう。
ビンゴ5で1等当せんを果たしたとなると、次に狙うのはさらに高額となるロト6やロト7での1等当せんかと思いきや。
「貴誌の力丸専務が何度もナンバーズ3でグランドスラムを達成しているじゃないですか。それをやってみたいですね」
グランドスラムとは、ナンバーズ3でストレート・ボックス・ミニを同時に取ること。もちろん難しさはあれど、ロトどころかビンゴ5よりも当せん金額は低いが……。
「私が数字選択式宝くじに感じる魅力は、当たったときの喜びと当たらなかったときの難しさなんです。自分で筋道を立てて、それがバッチリはまって当てたときの『ほらね!』という達成感というか」
なによりも数字が好きと語るきすけどんさん。今はロトやビンゴに加え、再びナンバーズも本誌の引っ張り表に抽せん数字を書き込みながら数字予想をしているそうだ。
純粋に数字に魅せられ、当たりもハズレも楽しみながら続けているからこそ、今回の当たりにつながった――そう思わずにはいられない今回の取材だった。
※この記事は『ロト・ナンバーズ「超」的中法2021年11月号』の[夢の高額当せん者インタビュー]を一部抜粋変更したものです