毎年恒例、本誌 2月号綴込み付録の「金華山黄金山神社」願かけ絵馬。2019年応募総数は1663枚! その大切な願い事を編集長が奉納祈願してきました!その模様をご紹介。
※本記事は、月刊誌『ロト・ナンバーズ「超」的中法 2019年5月号』発売当時のまま、掲載しています。
雨がちらつく牡鹿半島、花粉は少ないが海は……
2019年2月27日(水)大安
日も暮れた時間に宮城県入りした私はレンタカーを借り、カメラマンとともに宿に向った。例年であれば、衣服をすり抜けてくる寒さと戦っているのだが、今年は暖冬なのだろうか、厳しい寒さは感じない。
ホテルに着くと、荷物を降ろし、カメラマンと食事へ。仙台駅のなかにある商業施設で中華をつまみに一杯。さながら、今回の奉納祈願に向けての決起集会といったところだ。ほろ酔い気分でホテルに戻り、明日に備えた。就寝前に今回送られてきた1663枚の絵馬について考えていた。まず感謝したいのは、絵馬と一緒に御初穂を送ってくださった多くのみなさまに。そして、「今回も絵馬をお願いします」という内容のお手紙の数々。そして絵馬をお送りいただいたすべてのみなさまに……。自然と背筋がピンと伸びる。奉納祈願、しっかりと職務を果たさなければと、改めて思う。
2019年2月28日(木)赤口
朝6時。カメラマンと石巻市は牡鹿半島の先に鎮座する金華山を目指す。レンタカーのアクセルを思い切り踏み込んで出発した。仙台市内から石巻市までは仙台東自動車道を走り、牡鹿半島に入ると、第1の関門である「花粉」が飛来して……くるはずだったが、幸いこの日の天気は雨。花粉は飛ぶことを止め、おとなしくしているようだ。重度の花粉症である編集長にとっては、この上ない僥倖。さらにアクセルを踏み込んで、半島の道を突き進んだ。
9時前に牡鹿半島の先端にある鮎川港に到着。毎年お世話になっている船会社のシードリームさんと再会。いざ、金華山へ向けて出航した。ここで第2の関門が突如現れた。そう、荒波である。通常、ほとんど揺れることもなく、快適な船の旅なのだが、この日は雨。花粉こそ遠ざけてくれたが、海の上はやや荒れ気味に。
バーンッ!
船底が波と激しくぶつかり、大きな音がこだまする。しかし、クルーザーはそんなことにはおかまいなしとばかり進む。そう、絵馬を奉納祈願するために!!
15分ほどすると金華山に到着。桟橋には迎えの車が到着していた。おかげで神社にあっという間に到着。すると、今回もお世話になる神職の大久保さんが温かな笑みをたたえて出迎えてくれた。積もる話もそこそこに、奉納祈願の準備に入る。やはり神社内は神聖な空気で満ちている。そう、寒いのだ。改めて気が引き締まる。
着替えをし、いざ神殿へ。そこは奉納祈願を受ける舞台が整っていた。受けるのは私ひとり。しかし、願い事は1663枚! 呼吸を整えて、神事の開始を待った。
ドン! ドン! ドンッ!
神事の開始を告げる太鼓の音が響き渡った。続いて神官たち、巫女さんが神殿内へ。神事が始まった。まずは神官により、これから奉納祈願の神事をとり行うことを神さまにお伝えする。
続いて祝詞奏上。頭を下げ、静かに瞳を閉じた。
--かけまくも~
なんという抑揚の効いたすばらしい祝詞。なのだが、かすかな違和感を覚えた。(いつもと違うどこかで聞いたことのあるこの温かみのある声は?)
そう思ったが、祝詞中はしっかりと祈りを捧げなくてはならない。神さまに向け、どうか1663枚の絵馬の願い事をお聞きください。祈り続けた。
時間にして数分。祝詞奏上が終わり、「お直りください」という言葉で、頭を上げる。
ここで祝詞の声の違和感の正体が判明することになる。なんと、今回祝詞を読み上げてくださったのは、大久保さんだったのだ! 初めて聞く大久保さんの祝詞奏上に、絵馬の願い事が神さまに届けられると確信できた。
続いては御神楽。巫女さん2人による見事な舞が奉納された。神聖な空気が、舞をさらに美しく見せてくれる。しばし時を忘れた。
神楽が終わると、金幣(きんぺい)をかざしていただき神さまの祝福を受ける。1663枚の絵馬代表として、しっかりと祝福をいただきます。
最後に玉串奉奠。神さまに榊をお供えし、恭順を示す二礼二拍手一礼。
滞りなく、奉納祈願の神事は終了した。なお、奉納した絵馬は2019年3月18日に、金華山山頂にある奥ノ院として鎮座する大おお海わだ祇つみ神社にてお焚き上げされた。
神事が終わって、改めて大久保さんと会話していると、「今年は亥年で秋には金華山火ひ渡わたりのお祭りもあるんですよ」と教えてくれた。こうして、今回の奉納祈願も大成功に終わったのでした。
奉納後記
未曾有の震災から8年。こうして続けてこられたのも、ひとえに金華山黄金山神社のみなさまが尽力してくださること、それに絵馬を送ってくださる読者のみなさまあってのこと。今回、改めて感謝の気持ちがこみ上げてきました。
昨年の奉納祈願報告でも紹介しましたが、参道の整備はずいぶんと進んだものの、神社自体の建物のゆがみなど、まだまだ手付かずな部分が多いのが現状です。
8年という月日により風化していかないように、これからもみなさまの願いごとを届けつつ、復興の道程をしっかりとこの目で見ていこうと思った今回の奉納祈願でした。
(本誌編集長/石川修)
2020年の奉納の模様はこちら↓
※本記事は、月刊誌『ロト・ナンバーズ「超」的中法 2019年5月号』発売当時のまま、掲載しています。