2020年2月。新型コロナウイルスの影響で何もかもが変化しだしたころ。読者のみなさまから預かった大切な絵馬1862枚を編集長が奉納祈願してまいりました。その様子をご紹介。
※本記事は、月刊誌『ロト・ナンバーズ「超」的中法 2020年5月号』発売当時のまま、掲載しています。
2日ずらしての出航!金華山目指してヨーソロー!!
2020年2月26日(水)、仙台入りするはずだった。そう、絵馬の奉納祈願をするために。ところが、前日の午前中、いつもお世話になっている海上タクシーから電話が。
―― 明日は、波が荒く出航できない
と。これまで何度も荒波を越えてきたが、さすがに今回はお手上げのようだった。予定を2日ほどズラし、万全の天候のなかでの奉納祈願を誓う。
大切な絵馬1862枚
2月28日(金)夜、仙台入り。道中、新幹線の車両は10名ほどしかいなかったと記憶している。そう、折しも全世界を騒がせている新型コロナウィルスのせいだろう。一刻も早い収束を願いつつ、床に着いた。
2月29日(土)午前6時。前日借りておいたレンタカーに乗り込むと、勢いよく仙台を飛び出した。高速道路に乗ると、さらにアクセルを踏み込み、一路牡鹿半島の先端の鮎川港を目指す。
8時30分、半島のワインディングロードを軽快に抜け、鮎川港に到着。すると、そこには大きな変化があった。昨年まではなかった大型商業施設(「ホエールタウンおしか」)ができていたのだ。なかには土産店やお食事処、さらには船の待合室などがある。あの震災から9年が経ち、ようやくここまでたどり着いたのだ。毎年、鮎川港を見ている私たちには、それがどれほど大変なことだったか、少しはわかるつもりだ。お世話になる海上タクシーに乗り込むと、凪の大海原へ出航。あっという間に、船は金華山へと到着した。
「ホエールタウンおしか」宮城県石巻市鮎川浜南 43-1
神社に到着すると、さっそく神さまの使いである鹿が姿を見せてくれる。
―― 今回もよく来たね。そう言われた気がした
さらに権禰宜の大久保さんがいつものように笑顔で迎えてくれる。年に1度しか会わないのに、10年以上も通っているせいか。とても親近感を覚える。世間話もそこそこに奉納祈願をする準備にとりかかった。
今回は、このご時世ということでマスク着用を許可していただいた。神さまに失礼のないように、と考えたが、逆に配慮していただく形に。
着替えをし、神殿へ。毎回思うが、この神殿までの廊下は息が白くなるほどひんやりとしている。霊験あらたかな場所にいることを改めて思い出させてくれる。
神殿に入ると、どこからともなく太鼓の音が響く。神事が始まる合図だ。すると、神官、巫女が神殿内へ。
初めに神職による奉納祈願開始を告げる旨が読み上げられる。続いて、巫女がおごそかに護摩木に火を灯す。
―― パチパチ
勢いよく護摩木が燃え始めると同時に、神官による祝詞が読み上げられる。一同低頭。
―― どうか1862枚の絵馬の願いをお聞きください、神さま
ゆっくりと独特なイントネーションで読み上げられる祝詞に合わせて祈り続けた。しばらくすると護摩木の炎が燃え尽きるのとほぼ同時に祝詞は終わった。続いては、巫女による神楽奉納。ここ金華山では「弥栄の舞」が奉納される。非日常的な神楽を前にしばしの時を忘れる。
続いて、奉納祈願参加者に神さまからの祝福である「金幣」をかざしてもらう。低頭すると、頭の両脇で「金幣」が心地よい音を立てて鳴り響く。
―― シャンシャンシャンシャン
音が消え、ふと我に返ると、最後の仕上げともいうべき「玉串」の奉奠。榊を神殿に向けてお供えし、神さまに恭順を示すのだ。
最後に二拝二拍手一拝し、滞りなく奉納祈願の神事は終了した。
控室に戻り、権禰宜の大久保さんとたわいのない話をしているときだった。さきほどは窓から鹿の姿が見えなかったが、いまはたくさんいる。しかも、みな一様にこちらを見上げていたのだ。
―― この瞬間、確信した。絵馬の願い事は神さまに届けられた、と
こうして2020年の奉納祈願は幕を閉じたのだった。
奉納後記
あの未曽有の惨事となった東日本大震災から9年の月日が経過した。神社では、まだまだ補修作業を継続しているとのこと。昨年から今年にかけては、雨漏りのひどい箇所の修復や建物のゆがみの修繕などなど。9年が経過してなお復興への歩みは続いている。
物理的なものに関しては修復が進む一方で、まだまだ心に大きな傷を残している方たちがいるのも事実。今回の当せん者インタビューの主人公がそうであったように。
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日本各地で起こった自然災害、そのすべての地が復興するための行動をいまでも継続している。この9年前に起きた東日本大震災の現地を見て、自然災害によって心に傷を負ってしまった方々が、少しで前を向くことができますように。改めてそんな願いが湧き上がる奉納祈願となりました。
最後に、本誌読者のみなさまに幸あらんことを。
(本誌編集長/石川修)
※本記事は、月刊誌『ロト・ナンバーズ「超」的中法 2020年5月号』発売当時のまま、掲載しています。