今回は、前回の続きナンバーズ4の当せん確率について解説していきます。
前回、ナンバーズ4のそれぞれの申込タイプの当せん確率と当せん金額(理論値)は以下①~④の場合で変わるということは説明しました。
①抽せん数字4個の数字が全て異なる場合
②抽せん数字4個のうち2個が同じになる場合
③抽せん数字4個のうち同じ数字の組み合わせが2組ある場合
④抽せん数字4個のうち3個が同じになる場合
今回は残りの③と④を説明していきます。
また、前回の確認問題は③の場合に該当するのでコラム最後で解説します。
ナンバーズ4の確率を求めよう
①と②の場合は、第7回を確認してください。
③と④の当せん確率と当せん金額(理論値)は表1と表2に示したとおりです。
ナンバーズ4では、各ケタで1,2,3,4,5,6,7,8,9,0の10個の数字を選びます。したがって、各ケタの数字の選び方は10通りです。10通りのものを4ケタ分選ぶので、全体の場合の数は
10×10×10×10=10,000通り
になります。
表1:抽せん数字が(1)(1)(2)(2)のとき(4個のうち、同一数字が2組ある場合)
表2:抽せん数字が(1)(1)(1)(2)のとき(4個のうち、3個が同一数字の場合)
※「ボックス」「セット」はすべての数字が同じ(ゾロ目)では申し込みできません。
③抽せん数字4個のうち同じ数字の組み合わせが2組ある場合
ストレートで当せんする確率
ストレート、つまり、選んだ数字の順番と抽せん数字の並びが一致する場合の確率を求めてみましょう。ここでは、抽せん数字が、(2)(5)(2)(5)だとします。これに一致するのは、(2)(5)(2)(5)を同じ順番で選んだときだけですので、1通りになります。したがって、ストレートで当たる確率は
(ストレートが当たる数字のパターン数)/ (全体の場合の数) = 1/10,000
となります。
ボックスで当せんする確率
ボックスは、選んだ数字の組みが順番に関係なく抽せん数字と一致する場合になります。つまり、抽せん数字が、(2)(5)(2)(5)の場合、選んだ数字が、
(2)(2)(5)(5), (2)(5)(2)(5), (2)(5)(5)(2), (5)(2)(2)(5), (5)(2)(5)(2), (5)(5)(2)(2)
の場合に当せんとなります。したがって、6通りの場合があるので、当せん確率は、
6 / 10,000
となります。
全て異なる数字の場合、①で計算したとおり、24通りありました。②の1組の数字が同じ数字である場合、その数字を2回数えていることになりますので、
24 / 2 = 12 通り
と計算することができました。③の場合、2組の数字が同じなので、その数字を2回ずつ数えていることになります。したがって、
24 / (2×2) = 6 通り
と計算することもできます。
セットで当せんする確率
セットはストレートとボックスを半々にかける買い方になります。当せん確率はボックスと同じ
6 / 10,000
となります。この内、ストレートと同じ条件で当せんする確率は、同じく
1 / 10,000
となります。また、ボックスと同じ条件で当せんする場合は、上記のボックスの当せんパターン6通りからストレートの場合を除いた5通りになります。したがって、当せん確率は
5 / 10,000
となります。
④抽せん数字4個のうち3個が同じになる場合
次に、抽せん数字4個のうち3個が同じ数字であり、残り1個が異なる場合を考えます。
ストレートで当せんする確率
ストレートは、同じ数字が含まれていても、完全に一致する場合なので、1通りになります。したがって、ストレートで当せんする確率は
1 / 10,000
となります。
ボックスで当せんする確率
ここでは、抽せん数字が、(1)(7)(7)(7)だとします。ボックスで当せんするには、
(1)(7)(7)(7), (7)(1)(7)(7), (7)(7)(1)(7), (7)(7)(7)(1)
の場合になります。したがって、4通りの場合があるので、当せん確率は、
4 / 10,000
となります。
4ケタの数字の内、1個の数字だけが各位4箇所のどこに出るので4通りあります。
セットで当せんする確率
セットはストレートとボックスを半々にかける買い方になります。当せん確率はボックスと同じ
4 / 10,000
となります。この内、ストレートと同じ条件で当せんする確率は、同じく
1 / 10,000
となります。また、ボックスと同じ条件で当せんする場合は、上記のボックスの当せんパターン4通りからストレートの場合を除いた3通りになります。したがって、当せん確率は
3 / 10,000
となります。
ナンバーズ4の申込数字の選び方
さて、以上で様々な場合の当せん確率を計算してきました。次に内容“当せん金額”を考えていきたいと思います。
当せん金額には「理論値」と書かれています。つまり、実際に当せんしたときにもらえる当せん金額ではありません。当せん金額は、合計で何口購入されたか(販売総額)と、同じ数字に何口の申込があったかで変わります。
理論値は、「すべての数字の組合せ(”0000”〜”9999”の10,000通り)が1口ずつ購入された場合」にもらえる当せん金額です。
1口200円ですから、販売総額は
10,000口 × 200円 = 2,000,000円
となります。この内、45%が当せん金になりますので、ストレートの場合の当せん金額は、
2,000,000円 × 0.45 = 900,000円
となります。
実際は、図のように、申込数字の分布にはバラツキがあります。もし、合計10,000口の申込があって、ストレートの当せん口数が2口あった場合、もらえる額は単純計算で、半分の45万円になります。
実際の申込は、この例よりも十分に多い口数の購入があるので、理論値の当せん金額から大幅にずれることは少ないです(起こり得ないと言う事ではありません)。しかし、それでも申込数字の選び方には注意が必要でしょう。
申込数字の分布の偏りは、やはりあるようで、当せん金額が、理論値の半分近くになることや、理論値の倍にもなることがあります。過去の抽せん数字に何口の申込があったかは、宝くじのサイトで公開されていますので、参考にしてみてください。
●理論値
●申込分布
そうは言っても、「どんな数字を選んだら良いか分からないよ!」と言う人は、申込カードの「クイックピック」をマークしてください。コンピュータがランダムに数字を決めてくれます。ちなみに、自分で数字を選んでも、クイックピックで選んでも、当せん確率は変わりません。人はランダムな数字を選ぶのが苦手なので、無意識に同じような数字を選ぶ傾向があるかも知れません。それならば、コンピュータに任せた方がいいかも知れませんね?この考え方は、定量的に扱えないので、みなさんが信じる方法で数字を選んでください。
まとめ
今回は、ナンバーズ4の当せんパターンのうち、抽せん数字4個のうち同じ数字の組み合わせが2組ある場合と、抽せん数字4個のうち3個が同じになる場合について、当せん確率を求めました。
そしてこの第8回でロト7・ロト6・ミニロト、ビンゴ5、ナンバーズ3&4すべての当せん確率の計算は終了です。お疲れ様です。
今回は確認問題はなしにしてこれまでの講座を振り返ってみてください。
次回は当せん金額の続きです。本格的に解説していきます。
※次回は11月6日(月)更新予定です。
第7回の解答
前回の「確認問題」は
問題:ナンバーズ4で、抽せん数字が(1)(1)(2)(2)である場合のボックスの当せんパターンを全て列挙してください。
でした。答えは、次のとおりです。
※答えをクリック!
■解答■
今回の③の場合ですね。抽せん数字が(1)(1)(2)(2)であるときは、次の6通りがボックスの当せんパターンになります。
(1)(1)(2)(2), (1)(2)(1)(2), (1)(2)(2)(1), (2)(1)(1)(2), (2)(1)(2)(1), (2)(2)(1)(1)
川村 正樹(かわむら まさき)
1999年 筑波大学大学院工学研究科博士課程修了。博士(工学)。現在、山口大学大学院創成科学研究科准教授。
主な研究内容は、ニューラルネットワークの理論や、電子透かしモデルの復号アルゴリズムなど。著書「CentOS 7で作るネットワークサーバ構築ガイド」(秀和システム)などLinux関係の解説本を多数執筆。
山口大学卒業生の依頼を受け、卒業生のためならロトナン確率講座講師を引き受けましょうと、本講座に着手。
イラスト/シライカズア