川村先生&野﨑先生のロトナン確率講座

【第11回】ジャンボ宝くじの当せん確率

2018/01/08【連載終了】川村先生&野﨑先生のロトナン確率講座

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第11回はジャンボ宝くじの当せん確率について。その前に、前回の解答から。

前回の解答

問題:

表6はビンゴ5の当せん確率と当せん金(理論値)です。配分率を求めてください。

 

表6 ビンゴ5は当せん確率と当せん金(理論値)

等級当せん条件当せん確率当せん金額(理論値)
1等8ライン1/390,6255,556,200円
2等6ライン16/390,625300,000円
3等5ライン48/390,62545,000円
4等4ライン192/390,62518,200円
5等3ライン1,248/390,6252,500円
6等2ライン6,656/390,625700円
7等1ライン56,832/390,625200円(原則固定)
 

解答:

前回と同様に1口(200円)の内、各等級の賞金に使われる額を計算していきましょう。

 

前回の通り、1口(200円)の内、1等の賞金のために使われる金額は

 (1口の内1等の賞金に使われる額)=

    (1等の当せん金額の理論値)×(1等の当せん確率)

で計算ができました。同じように計算をしてみると、結果は次のとおりになります。

 

 (1口の内1等の賞金に使われる額) = 5,556,200 × 1/390,625 = 14.223872

 (1口の内2等の賞金に使われる額) = 300,000 × 16/390,625 = 12.288

 (1口の内3等の賞金に使われる額)45,000 × 48/390,625 = 5.5296

 (1口の内4等の賞金に使われる額) = 18,200 × 192/390,625 =8.945664

 (1口の内5等の賞金に使われる額) = 2,500 × 1,248/390,625 =7.9872

 (1口の内6等の賞金に使われる額) = 700 × 6,656/390,625 =11.927552

 (1口の内7等の賞金に使われる額) = 200 × 56,832/390,625 =29.097984

 

以上のすべてを足し合わせると、1口の内、賞金に使われる額が計算できて、次のようになります。

 (1口の内賞金に使われる額)≒ 89.9999

 

これを1口の金額で割れば配分額が計算できるので、配分額はおおよそ

  44.9999 %

と計算できます。この結果から、実際の配分額が大体45%であることがわかります。

ジャンボ宝くじの当せん確率

11回はジャンボ宝くじについて。

 

ジャンボ宝くじは年に525711月ごろ発売されます。

平成27年の年末ジャンボ宝くじで、1等・前後賞合わせて10億円と、宝くじ史上最高額を更新しました。有名な「サマージャンボ宝くじ」や「年末ジャンボ宝くじ」は発売時期になるとTVで取り上げられるほどの一大行事となっています。

ユニット制

まずは、ジャンボ宝くじの当せん確率を求める上で必要となる、ユニット制について説明します。

ユニット制とはみずほ銀行の説明によると

 

ユニット制とは

“主としてジャンボ宝くじに使用している発売のしくみです。賞金条件や発売額がユニット単位で決定されます。

100000 番」から「199999 番」までの10 万枚を1 組としており、組の数によって1 ユニットの枚数が決まります。”

とあります。

 

具体例として201711月に発売された第731回全国「年末ジャンボ宝くじ」で考えてみましょう。

画像1は第731回全国「年末ジャンボ宝くじ」の実際に購入した券です。「ユニット」「組」「番号」が書かれています。

 

画像1:第731回全国「年末ジャンボ宝くじ」表

確率コラム第11回券表

 

券の裏も見てみましょう。

 

画像2:第731回全国「年末ジャンボ宝くじ」裏

確率コラム第11回券裏

 

裏(画像2)には第731回全国「年末ジャンボ宝くじ」について書かれています。本講座に関わる部分を抜粋すると

 

<抜粋>

この宝くじは、100,000番から199,999番までの10万通りを1組として01組から200組までの2,000万通(60億円)を1ユニットとし、ユニットごとに順次売り出し、抽せんによって次の当せん金をつけます。

等級等当せん金本数
1等700,000,000円1本
1等の前後賞150,000,000円2本
1等の組違い賞300,000円199本
2等10,000,000円20本
3等1,000,000円200本
4等100,000円1,400本
5等10,000円20,000本
6等3,000円200,000本
7等300円2,000,000本

[上記は1ユニット(2,000万通)当りの当せん金です]

 

以上の抜粋をまとめると、

・一つの組には、100,000番から199,999番までの番号(10万口)が含まれる

・一つのユニットには、01組から200組までの200組(合計2000万口)が含まれる

・各ユニットには表の通りに当たりくじが含まれている

 

ということがわかります。言い換えると、1ユニットに1等は1本、1等前後賞は2本、1等の組違い賞は199本、2等は20本……ということです。

当せん確率

以上から、第731回「年末ジャンボ宝くじ」1等の当せん確率は

 

100,000番~199,999番までの10万通りを1組として、01組から200組を1ユニットとしているので、つまり10万通り×200組で、2,000万通りあることになります。

1等はこの中に必ず1枚あるので、2,000万分の1であることがわかります。

まとめ

確率コラム第11回まとめ

ジャンボ宝くじにはユニット制が用いられています。

宝くじ詳細に必ずユニットについて記載があるので、確認してみるのもおもしろいかもしれません。

確認問題

732回全国「年末ジャンボ宝くじミニ」の裏を確認すると、このような説明がなされています。この第732回「年末ジャンボ宝くじミニ」の1等の当せん確率を求めてください。

 

画像3:第732回全国「年末ジャンボ宝くじミニ」裏

確率コラム第11回ミニ券裏

 

<抜粋>

この宝くじは、100,000番から199,999番までの10万通りを1組として01組から100組までの1,000万通(30億円)を1ユニットとし、ユニットごとに順次売り出し、抽せんによって次の当せん金をつけます。

等級等当せん金本数
1等50,000,000円7本
1等の前後賞10,000,000円14本
2等10,000,000円10本
3等1,000,000円100本
4等100,000円1,000本
5等10,000円10,000本
6等3,000円100,000本
7等300円1,000,000本

[上記は1ユニット(1,000万通)当りの当せん金です]

 


野﨑 隆之(のざき たかゆき)

2012年 東京工業大学 大学院理工学研究科博士課程修了。
現在、山口大学 大学院創成科学研究科 講師。
研究内容はデジタル情報を誤りなく伝送・保存する基礎技術である「誤り訂正符号」と、その理論である「符号理論」。
大学では「情報理論」や「情報ネットワーク」などの情報通信に関する授業を主に担当。

普段の研究でも、場合の数を数え上げをよく利用している。

イラスト/シライカズアキ

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